平沢 音楽は資本主義と相容れない性質を持っているから、音楽として生きつづけられるんでしょ? だから誰もがある種のビジネスモデルを踏襲すれば成功するというもんじゃないですよ。音楽のそういう性質をきちんと見続けて維持しつづけること。あえてビジネスモデルというならそこから発想しなければ駄目でしょう。パラドックスでしょ?
ちなみに私はもう業界のビジネスモデルは踏襲していないですよ。プロモーションもしないし、取材も断ることが多い。
―― なのにこんな取材を受けていただいてホントに……。
平沢 意味ある取材は受けますよ。でもほとんど意味がない。ミュージシャンが既存のメディアに頼らなければ情報を発信できない時代はとっくに終わっているでしょう? ミュージシャンというタダ同然の資源をめぐる利権構造はもう成り立たないという事実が見えない連中が、いまだに「掲載してやる」という立場を捨てられないのは滑稽ですね。


